マラソンの後半30km地点急激にペースが落ちて失速。
そんな嫌な経験をしたランナーはたくさんいるのではないでしょうか?
次のマラソンでは走りきれるように月間走行距離を伸ばして、練習したのにもまた失速してしまう。
せっかく頑張って練習したのにも関わらずバテてしまい悔しい思いをしてしまいますよね?
練習量を増やしても記録が延ばせないのはもしかしたら自分は歳だから、身体が重いから、才能がないからと自信をなくしているかもしれません。
でもあなたがマラソンの後半で失速してしまうのは、練習量が足りていないのではなく練習のやり方があっていない可能性があります。
実はマラソンの練習はただキツイ練習を積み重ねていけば記録が延びるわけではないんです。
そこで今回はマラソンの後半に強くなるLTについてや練習について紹介して行こうと思います。
こんな方は読んでみてください。
・マラソンで最後まで走りきれるようになりたい。
・30kmの壁を突破したい。
・後半の失速を抑えたい。
・イーブンで走れるようになりたい。
持久力に大事なLT(乳酸性作業閾値)

いきなりLT値なんて難しい専門用語出さないでよ!もう帰る!って方もちょっと待ってください。
できるだけ簡単に説明します。
LTというのは簡単にいうと急激に疲れが溜まるポイントだと思ってください。
どんなランナーでもゆっくりなら長く走ることができます。
でもある一定のペース以上で走ると疲れが急激に溜まりやすくなり、長時間運動をすることが出来なくなってしまいます。
皆さんも経験があると思います。
そのペースがLTでマラソンのような持久力系のスポーツにおいてLT値以下のペースで走ることがとても大事なんです。
LTについて少し詳しく説明すると、人間は運動するときに乳酸生成しています。
乳酸は安静時でも微量に生成されているのですが、体内で消費されて溜まりません。
でもLT値を超える強度で走ると乳酸の生成速度に消費が追いつかなくなり、身体の乳酸濃度が高くなって身体の動きが悪くなってしまうのです。
LTを上げるには
LTを向上させるには自分のLTペースもしくは1〜2秒早く走るのが最も効果的と言われています。
でも自分のLTを知っているランナーは多くありません。
LTを正確に知るためには運動中に採血を行い血中の乳酸濃度をグラフ化していくと、LTペースと心拍数を知ることが出来ます。
しかし私たち市民ランナーはそこまで出来ない場合が多いです。
なのでもう少しわかりやすく求めると最高心拍数(220ー年齢)の85%前後がLTになります。
ペースでいうと1時間なら維持できるペースが、LTを向上させるのに効果的です。
1時間を5分/kmで走れるなら12km走ることになります。
LTトレーニング
練習では15分ウォーミングアップ、LTペースで20分〜40分、クールダウン15分が一般的です。
気をつけなければならいのが、頑張り過ぎてはいけないことです。
LTトレーニングはキツい練習になるので最後までやりきることが非常に重要です。
ペースを上げすぎて途中でペースを落としてしまっては、効果がなくなってしまいます。
始めは呼吸に余裕があるからとペースを上げて、途中でペースダウンしないように注意しなければなりません。
ペースコントロールに自信がないなら、ジムなどのトレッドミルを使うのもオススメ!
ペースはマシンがコントロールするので速すぎたり、キツくて心が折れそうな時も意外と粘れます。
効果をさらに高めたい方は、アップダウンのあるコースで走ると効果的。
マラソン本番に近い実戦的な練習をすることが出来ます。
ただ信号などで止まらないように注意してください。
まとめ
マラソンに大事なLTについて解説しました。
ここまでLTについて話を聞いてその重要性はわかってもらえたと思います。
しかしここまで話ておいてですが残念ながらLT走だけでマラソンのタイム向上は難しいです。
確かに疲れにくく身体になりますが、マラソンは他にも重要な要素がたくさんあるからです。
例えばフォーム改善をすればランニングエコノミーはよくなるし、もともと遅筋が多い人はそれだけでマラソン向き。
レース前の準備やレースのプランニング、またシューズなどの道具選びもタイムに影響してきます。
ただ、もしあなたが今までLTを意識せずなんとなく走っているだけだとしたら、LTトレーニングを取り入れることでよりタイムの短縮に近づくはずです。
キツいメニューにはなりますが、ポイント練習の一つに入れ継続することができればタイム向上に繋がっていくはずです。